類書の中ではかなり評価できる
タイトルを裏切らない内容を持つ本です。類書は結構ありますし、私もこうしたジャンルの本は随分手にしてきましたが、他の本では目にしたことがない表現が豊富だなという印象をもちました。 この本のもう一つ優れている点として、映画の選び方の趣味がなかなかよいことを指摘しておきます。骨太な古典作品から90年代の佳品まで幅広く取り上げていますが、興行成績ばかりが良くて中身がない映画というのはひとつもありません。「きっと忘れない」という作品を選んでいるのにはうならされました。この映画は、大物俳優が出演しているわけでもなく、耳にしたことがないという日本人も多いでしょうが、自由や民主主義、そして文学に対してアメリカ人が「絶大の信頼」を寄せていることを知るには絶好の作品です。つまりこの本は映画を通して、英語ばかりでなく、アメリカの政治・文化などにも読者の目を導こうという明確な意図を持って編集されています。 事実、各作品の舞台となる州の特徴や、映画の主題にまつわる著者の経験などがコラム風に紹介されています。著者はイリノイ州の大学で客員教授を務めた経験もあり、自身の米国生活に裏打ちされたその文章はなかなか読みごたえがあります。特に陪審制度に触れた頁は興味深く読みました。
スクリーンプレイ出版
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