鼠―鈴木商店焼打ち事件 (文春文庫 し 2-1)



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鼠―鈴木商店焼打ち事件 (文春文庫 し 2-1)

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歴史は繰り返す


昨年のライブドア社長逮捕劇をみて真っ先に思い出したのが
本書の金子直吉であります。
会社を大きくするために踏まねばならない地雷は星の数ほどありましょう。
急成長を遂げたものに対する嫉妬もまた、膨れ続けることでしょう。
夢バブルの成長と瓦解。我々は歴史から何を学んでいるのでしょう。
生きることの意味に答えを見出すことは、かくも難しい、と言わざるを得ません。
朝日新聞、でたらめな捏造と煽動の起源

 大阪朝日新聞が「米騒動は鈴木商店が原因」という全くでたらめな捏造を繰り返し、それに煽られた群衆によって鈴木商店が焼き討ちされるという、全く不条理極まる事件を中心に、鈴木商店のダイナミックな活躍が活写される面白い小説。
 この作品からは、ポルポト、金日成、毛沢東、スターリンなどの虐殺専制政権や残忍極まるテロリストの実像を一切伝えることなく、捏造によって理想化し、その結果もたらされる酸鼻を極めた大虐殺を楽しむ朝日新聞の体質がこの頃から全く変わっていないことも判る。
取材力に脱帽

昔、神戸に「鈴木商店」という商社があり金子直吉という人が大会社に育て上げたが、金融恐慌で倒産し、その分社として現在の日商岩井や神戸製鋼等があるということは知っていました。しかし日本を代表する多くの大会社の前身でありながら、鈴木商店がどのような会社であったかはベールに包まれています。本書では「米騒動」時において鈴木商店が焼き討ちにあった事件を中心に非常に詳細な取材を行っており、それに派生して当時鈴木商店がどのような仕事をしており、どのような社風であったか。そしてそこに働く人たちのポジションや派閥がどうであったか。金子直吉がどのように会社を考えていたかが非常にリアルに分かります。いろいろな小説を読んできましたが、ここまで徹底的な取材を行った本は初めてで、非常に感動しました。
歴史の授業で出なかった、「世界企業」の実録物語

『ある時、日本の国を救った。』 ★そんな人物は、私たちは、「歴史の授業で、習った」と思っていた。

ところが、金子直吉が率いる「鈴木商店」は、完全に、歴史の授業から埋没していた。それは、その会社の存在を煙たがったいろいろな人たちの思惑からであり、また、「結果としての敗者」は忘れ去られる運命にあるのかもしれない。

そんな「存在し続けなければならない企業組織のあり方」と「常に戦う経営者の苦悩」を見事に描いた作品である。 序盤は、タイトルの「焼打ち」を史実的に追求していく作者の行動が、あまりにも大変なことに読者は、興味をそがれてしまいそうになる。 しかし、中盤あたりから繰り広げられる企業ドラマは、作者の城山さんならでは・・・といえる。

「時代が違う」とはいえ、「直吉の生きざま」は、21世紀にも通じると思う。

☆「経営者」(自立)を目指す人には、ぜひお勧めしたい1冊である。

(私の友人は、中断できず、これを一夜で読み切ったという)



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